戦争はなぜ繰り返されるのでしょうか。殺人と破壊を伴い、無数の命と未来を奪うにもかかわらず、人類は歴史の中で何度も同じ過ちを繰り返してきました。本記事では、戦争の本質を「人間の心理」「権力構造」「経済的利害」「情報操作」という4つの視点から徹底的に分析します。感情の暴走、恐怖と憎しみの連鎖、支配と服従の関係など、戦争が生まれるメカニズムを解き明かし、平和を実現するための道筋を考察します。現代社会における戦争報道やSNSの影響、そして個人ができる平和への行動にも触れています。戦争を“遠い出来事”ではなく“自分の問題”として見つめ直すことで、私たちは未来への責任を果たすことができます。戦争の理由・原因・心理・平和への道を知りたい方必読の内容です。
2023年10月5日木曜日
地球温暖化は手遅れかもしれないでは何ができるのか戦争している場合ではない
によって豪雨が発生するメカニズムとは
地球の平均気温が上がるにつれて、雨の激しさが増している。温暖化が進むと、空気中の水分量も増えるからだ。加えて、これまで雪として降っていたものが雨として降るようになったことで、新たな災害の原因にもなっている。
Flood waters flow over a carpark in South Korea. Buildings fill background and trees fill middle ground.
PHOTOGRAPH: ANTHONY WALLACE/GETTY IMAGES
気候変動がもたらす奇妙な副作用のひとつに、雨への影響がある。ほとんどの人は地球温暖化と聞くと、猛暑を想像するだろう。実際のところ、米国内で最も多くの死者を出している自然災害は猛暑だ。しかし同時に、気候変動によって降水量が極端に増えるリスクも上がっている。気候変動の影響を受けると概して、雨はより多く降り、暴風雨はより激しくなるのだ。
これは直感に反しているかもしれないが、物理学的に証明されている現象である。気候変動がここまで深刻化する前から、洪水は人間社会に大きなダメージを与えてきた。それを踏まえると、大雨が増えるとどれだけ大きな影響があるか、想像できるだろう。
気温が上がると空気中の水分量も増える
雨は地球の汗のようなものだ。汗をかいて皮膚から水分が蒸発するとき、熱も共に蒸発する。同様に、陸や海から蒸発する水分は、その表面から熱を奪う。地球は表面の熱を発散させることによって、太陽光によって上がった温度を下げる必要があるが、そのうちの半分は水分の蒸発による冷却効果によって賄われているのだ。そして蒸発した水分は、やがて凝結して雨となる。
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大気中の温室効果ガスは、地球が宇宙に熱を逃がすのを妨ぐ毛布のような存在だ。温室効果ガスの量が多ければ多いほど、この毛布は“厚く”なる。その結果、地球はより多くの水分を蒸発させて冷却を図ろうとする。綿のシーツよりも羽毛布団をかけて寝ているほうが汗を多くかくのと同じ原理だ。
「これは基本的なエネルギーバランスの問題なのです」と語るのは、シカゴ大学の大気学者であるリズ・モイヤーだ。モイヤーは気候変動が降水量に及ぼす影響について研究している。「温室効果によって気温が高まることによって、地球はより多くの水分を蒸発させてエネルギーを発散させようとします。上空に上がった水蒸気は雨となって降るので、結果として降水量が増えるのです」
大気学者たちの理論はクラウジウス・クラペイロンの式を根拠にしている。この式によると、温度が1C°上がるごとに、空気中に含まれる水分量は6~7%上昇する。単純計算して考えれば、暴風雨が発生した際の降水量もそのぶん増えることになる。
とはいえ、「暖まった大気がより多くの水分を保持するという事実だけでは、平均降水量がどのように増加するかはわかりません」とモイヤーは指摘する。「なぜなら、具体的な変化はその時々の物理的な状況によって決まるからです。例えば、大気中の水分量が増えたとしても、雨が降る回数の平均は増加しない場合も考えられます。それぞれの暴風雨が激しくなっても、雨が降る回数は変わらない、などです」。言い換えれば、雨が降る回数は増えず、単に平均的な湿度が上がるだけの場合も考えられるのだ。
全南大学の気象学者であるハム・ユグンによると、気象の変化にはさまざまな自然の要因が関係している。そのため、これらを取り除いて気候変動の影響を分析することが非常に難しくなっており、これが長い間、気象学者たちの悩みの種になっているという。(全南大学のある韓国は、頻繁に洪水が発生する国でもある)。
そもそも降水とは非常に複雑な現象で、多くの要素が絡み合っている。気候変動に関係なく、前年に比べて降水量が増えることもあれば、減ることもある。「降水にはさまざまな自然の要因が関係しているので、ほかの大気現象に比べても変動性が大きくなります」とハムは語る。「降水にはもとから変動性があるので、気候変動のサインを見出すことが非常に難しいのです」
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ハムはつい最近、同僚の研究者たちと一緒に、ディープラーニング(深層学習)モデルを使って降水量を解析し、ここ数十年のデータから気候変動の兆候を見出す研究を実施した。「以前までよりも大雨が増えていることがわかりました。特に今年は東アジアと米国東部において、この傾向が顕著に見られます」とハムは説明する。「このように大雨がより頻繁に発生している原因は、地球温暖化にあると結論づけることができます」
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米国の西海岸でも降水量が増加している。湿度が上昇した結果、太平洋を横断して米国に上陸する「大気の川」と呼ばれる水蒸気帯が、暴風雨を発生させて大きな被害をもたらしているのだ。「海面の温度が1C°ほど上昇すると、大気の川によってカリフォルニアに運ばれてくる水分量も増加します」と語るのは、アルゴンヌ国立研究所でシニアサイエンティストとして降水と気候変動を研究するラオ・コタマルティだ。「カリフォルニアでは雨が激しさを増しているので、その影響を実感できるでしょう」
現在のインフラでは今後の豪雨に耐えられない
豪雨が特に危険となるのは、同じ場所に短時間で多くの雨が降る場合だ。地表が水分を吸収する速度を上回って雨が降ると、短い時間で氾濫に至る「フラッシュフラッド」が発生する。ふたつの暴風雨が連続して発生した場合などには、土壌はすでに水分を吸収してしまっているため、それ以上の雨を受け止めることができなくなるのだ。
こうした災害は、高地などの降雪が多い地域で深刻化している。今年6月に発表された論文によると、山岳地帯や高緯度の地域では、気温が1C°上昇するごとに、大規模な降水が発生する確率が15%増加する。これはクラウジウス・クラペイロンの式から推定される数値の倍以上だ。
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「大雨の問題、特に洪水がインフラにどの程度のダメージを及ぼすかの問題について考えるとき重要なのは、降っているのが雨なのか雪なのかという点です」と語るのは、ミシガン大学の気象学者であり論文の主著者であるモハメド・オンバディだ。「地球温暖化の影響は、空気中の水分量を増加させ、雨を増やしているだけに留まりません。極端な降水をみていくと、それが雨である割合が増え、雪である割合が減っているのです」
雪よりも雨の割合が増えると、そのぶん災害も深刻化する。雪の蓄積は緩慢であり、溶けるのにも時間がかかるが、大雨が降ると水は一気に放出される。8月にヒマラヤ山岳が被害を受けたように、山岳地帯では土砂崩れが発生してしまう。「研究者たちが収集した予備データによると、8月の土砂崩れが発生した大きな原因は、降水が雪ではなく雨となったことにあるとわかります」
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現在のインフラは、こうした大規模な洪水に対応できるようには設計されていないため、多くの人命がリスクに晒されている。一般的な都市計画では、洪水を避けるために雨水を可能な限り素早く排出する工夫が施されている。しかし雨が激しくなるにつれ、水路や下水だけでは十分な速さで水を排出できなくなってしまう。
最近では、“スポンジ機能”をもった都市の開発が進んでいる。つまり、コンクリートのように水を通さない素材で覆われた地表の割合を減らし、水が蓄積してしまうのを避けるのだ。そして緑地を増やし、雨水を帯水層まで染み込ませることで、後から再利用できるようにする。「これからのインフラは、地球温暖化によってもたらされる変化に対応できるよう設計されなければいけません」とオンバディは語る。「これから10年、20年、30年後に起きることにも、対応できるようでなければいけないのです」
(WIRED US/Translation by Ryota Susaki/Edit by Mamiko Nakano)
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